伝説のタクシー

　今回もまた、飲食店でなくてすみません。飲食店ネタだけでやってるといい加減ネタが切れてきたので、ずっと取材活動はしているのですが、なかなかそう滅多に伝説になるような店には遭遇しないんです。今回は伝説のタクシーのお話し。

　一時期、猛烈に忙しくて、帰りの電車がなくなって途中からタクシーで帰るということがよくありました。まあ、今でも、遅くまで飲んでいて電車がなくなりタクシーに乗るって事も多く、こんな景気のわりにはよくタクシーに乗ってる方かもしれません。まあ、家が遠いからすぐに電車がなくなるんですよ。

　さて、駅でタクシー待ちをしていると、どんなタクシーが来るかは運まかせです。順番を待ちながら、「おおっ、あれだな」と数えていたりするんですが、前の客が２人連れだったりして計算が外れることもありますね。結構高級というか、立派なタクシーってのもあり、そういうのにあたるとラッキーなのですが、逆のパターンもあります。

　その時は、なんか随分古めかしいタクシーに当たったな、って思ったんです。実際に乗り込んでみると、ただ古いだけではなかった。運転手のオッサンもかなり古めかしい。しかも、だいぶ言葉が訛っていて、時々何言ってるかよくわからないのですが、ず〜っとなんやかやと話しかけてくるんですね。そんでもって、今にもエンストしそうなエンジン。おいおい、これで家まで帰れるんかいな？と正直思いました。しかも、ライトが暗くて前が見えないんじゃないの？しかも信号で止まるとライトが消えそうになるんです。走っていても、ギシギシと車体がきしみ、ひょっとしたら車体が割れるんじゃないか？って心配になるほどで。

　街中を抜けて、郊外の直線道路にさしかかります。すると、そんな車にもかかわらず、フルパワーで凄いスピードです。道路のちょっとしたデコボコで思いっきり跳ねて、そのたびに、私はシートからお尻が離れてしまうほどでした。

　交差点で止まった時に、その運転手のオッサンが、なにやら、「おぅ、○○ちゃんだ」とかブツブツ言ってるかと思ったら、いきなり、窓をあけて、「よぉっ！こないだはどうもなっ！元気でやってるかぃ？」とかいって大声で話し出したりします。んで、そんなもんだから、信号が青になっても気づかず、後ろから、「プップッ！」とやられて、「おっと、いけね」とかいって発進。

　そんな状態でもなんとか家にたどりつくことが出来てほっとしました。が、タクシーを降りたらマジで足が震えてました（苦笑）。怖かった〜。マジでいまにも車体がバラバラになってしまいそうだったもの。

　それ以来、そのタクシーにはめぐり合ってませんが、今も元気に走っているんでしょうか？

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