夫婦で散歩
今日は午前中は長女の授業参観があった。午後、私は隣町まで歩いて行く用事があったのだが、同時に、妻は長女の小学校まで歩いていって避難訓練に参加しなければならないらしい。二人ともいつもの散歩道あたりを通っていくことになるので、よし、それならちょっと早めに出て、いつもの散歩道を歩いてみないか？ということになった。実は、毎週のように私が散歩に出掛けてはいるが、どこをどのように歩いているのかなどということは妻は知らないのである。もっとも、散歩から帰って、今日はこんなものを見つけたなどということはよく妻には話すのだが、妻自身は私の散歩道あたりをあまり歩いたことがないのだ。
実は数年前の夏に、妻とは子供を連れて虫とりにきたことがあったのだが、しっかりそのことは覚えていたようで、爪の谷あたりにくると、「まえに虫とりにきたよね」と、しっかり覚えていた。その時にタマムシの翅を拾ったことなども覚えていた。そういうことには関心がないのかと思っていたが、意外と覚えているものだ。
アカガエルの沼に案内する。丁度、ピチピチとオタマジャクシが跳ねる姿を見せることが出来た。葦が随分と伸びて、なかなかオタマジャクシには近寄り難いのだけれども、なんとか見せることが出来た。「ここのオタマはあんまり大きくならないんだよ、下の田んぼのオタマは大きいよ」
道端の草花を見ながらあるく。意外と私が見落としているようなものを見つける妻。やはり人によって目につくものが違うのだろうか？そういえば、妻に写真を見せると、被写体よりも、その背景に写っている植物や昆虫が気になるらしく、「これは何？」といって、新たな発見をすることもあった。そんなわけで歩いていたら、道端にササバギンランの白い花を見つけた。
「これは滅多に見られるものじゃないからね、ラッキーだよ」妻に言う。さすがにササバギンランは初めて見るらしい。地面に膝をついて写真を撮っていたら「こんな風にするからズボンが汚れるのね」と、そのことが気になる様子。上を見上げると、コゲラがカカカカカッと木を叩いているのが見えた。「ほら、あそこ」と指をさす。いつもこのあたりを散歩していると、コゲラなんてありふれたものだと思うのだけれども、コゲラといえど、キツツキがあんな風に木を叩いているところは初めて見たという。
だいぶ寄り道をしたので、意外と時間がかかってしまった。そろそろ行かなくては。とにかく、少しだけだけれど、妻に散歩道の自然を知ってもらうことが出来て嬉しかった。というか、夫婦だけで散歩したのは何年ぶりだろう？ここ数年はいつも子供達を追い掛け回しながら歩くばかりだもんね。