今年一年の感謝をこめて
年末のあわただしさがやってきた。明日からはでかけなくてはならないので、今年のうちにやっておきたいことは今日中に全部済ませたいと思い、朝からあちこち出かけて用事を済ませた。そして、最後にもうひとつ用事をすませなくては、そう、散歩だ。
大好きな散歩道はずっと私のそばにあった。今年、散歩道プロジェクトをはじめて、何か散歩道とそこに生きる生き物達の生活をじっくりと見ることが出来、少しは仲良くなれた気がした。そうして、この散歩道プロジェクトから人と人とのつながりも出来た。なにより、身近な自然のこと、そこで起きていることをよく見て、よく考えるようになった。いろんな花の名前、虫の名前、鳥の名前も覚えたし、それぞれがそれぞれの季節にどんな生活をしているのかも少しわかった。
季節ごとの散歩道の香り、それぞれの季節の出来事を思い出す。悲しい出来事もあった。ビックリするような出来事もあったし、怒りが爆発したこともあった。散歩道とその自然はそれぞれの場面で、私に自然の言葉で私の五感に語りかけてくれた。
私はまだまだ一年生だ。ずっと前から何気なく、このあたりを歩いていて、何気なく、その道端の生き物たちのことを見ていたような気がしていたが、こうしてじっくりと見てみると何も見えていなかったのかもしれないと思うことがある。
振り返ってみると、今年は少なくとも４０回はこの散歩道を散歩したことになる。毎回の散歩がそれぞれに思い出される。考えてみると、正月にもここを歩いたのだった。それは日記にしるしてある。あの頃はとても大変だった仕事のことなど色々と考えて悩んでいた。だが、日記に書いてあるように、神社にお参りして、そして振り返って歩き始めたら気分が軽くなったと。私はその時のことを昨日のことのように思い出すことが出来る。そうだ、ここを歩き始めて、この風景をみたとたん、気分が軽くなったのだ。
そう、なんの変哲もない、田舎の道である。農作業のために軽トラックが通ることがあるので、轍がついているが、舗装もされていない道だ。まさにあの時は、重苦しい気分が、この道を歩き始めたとたんに軽くなったのだった。これが私の散歩道だ。道はこうして続く。
今日も神社へと向かう。今年一年、無事に過ごせたことに感謝する。そして、散歩道にも感謝しながら歩く。私はこれからも散歩道を歩く。散歩道とともに歩く。今年はいろんなものを見せてくれてほんとにありがとう。来年はどんな物語が待っているのだろう。今年はほんとにありがとう。
